群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所、代表の高山秀康です。建設業許可は建設工事を請け負うために必要な許可であり、その取得には様々な要件を満たす必要があります。
建設業許可の申請手続きは複雑で、多くの書類や証明書が必要となります。適切な準備をしないと、許可取得までに時間がかかったり、場合によっては申請が却下されることもあります。
この記事では、2025年の最新情報に基づいて、建設業許可の要件と申請手続きについて詳しく解説します。許可取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
建設業許可とは
建設業許可とは、建設工事の完成を請け負うことを営業するために必要な許可です。軽微な建設工事を除き、公共工事か民間工事かを問わず、建設業法3条に基づき許可を受ける必要があります。
建設業の許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」に区分されています。特定建設業許可を取得するには、一般建設業許可よりも厳しい要件を満たす必要があります。
私が行政書士として多くの建設業許可申請をサポートしてきた経験から言えることは、許可を取得するには事前の準備が何よりも重要だということです。
2025年の建設業許可に関する重要な変更点
2025年には建設業法に関するいくつかの重要な変更点があります。特に注目すべきは、特定建設業許可の金額要件の見直しです。
2025年2月1日から、特定建設業許可を要する下請代金額の下限が引き上げられました。これまでは4,500万円(建築工事業の場合は7,000万円)でしたが、5,000万円(建築工事業の場合は8,000万円)に変更されています。
この変更は、近年の建設工事費の高騰を踏まえたものです。「建設業法施行令及び国立大学法人法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、施行されています。
他にも、施工体制台帳等の作成を要する下請代金額の下限、専任の監理技術者等を要する請負代金額の下限、特定専門工事の対象となる下請代金額の上限も見直されました。
これらの変更により、一般建設業許可の業者にとっては、施工できる工事の幅が広がったとも言えます。
建設業許可の種類と区分
建設業許可には、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があります。どちらの許可が必要かは、発注者から直接請け負う工事1件につき、一定の金額以上となる下請契約を締結するか否かで区分されます。
一般建設業許可
一般建設業許可は、下請代金の総額が5,000万円未満(建築一式工事の場合は8,000万円未満)の工事を請け負う場合に必要な許可です。
一般建設業の場合、営業所ごとに「営業所専任技術者」を置く必要がありますが、要件は比較的緩やかです。
特定建設業許可
特定建設業許可は、下請代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)となる工事を請け負う場合に必要です。
特定建設業の場合は、一般建設業よりも厳しい要件があります。特に「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の要件が厳格です。
どうですか?あなたの事業規模や今後の展開によって、どちらの許可が必要かが変わってきます。将来的に大きな工事を請け負う予定があれば、最初から特定建設業許可を取得しておくことも検討する価値があります。
建設業許可の要件
建設業許可を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
経営業務の管理責任者の要件
建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者がいることが必要です。具体的には、以下のいずれかに該当する者が必要となります。
- 許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 許可を受けようとする建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって経営業務を補佐した経験を有する者
- 国土交通大臣が①または②に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
この要件は、建設業の経営に関する知識と経験を持つ人材が会社にいることを確認するためのものです。
専任技術者の要件
営業所ごとに、専任の技術者を置く必要があります。専任技術者には、以下のいずれかの資格・経験が必要です。
- 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、一定の国家資格を有する者
- 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、10年以上の実務経験を有する者
- 国土交通大臣が①または②に掲げる者と同等以上の知識及び技術または技能を有すると認定した者
専任技術者は、その営業所に常勤していることが必要です。また、2025年の法改正により、専任技術者の要件に関する一部緩和も行われています。
誠実性の要件
申請者が法人の場合はその役員等、個人の場合はその者や支配人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。
過去に建設業法違反や詐欺等の犯罪歴がある場合は、許可が下りないことがあります。
財産的基礎等の要件
請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していることが必要です。具体的には、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上であること
- 500万円以上の資金調達能力を有すること
- 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
特定建設業の場合は、さらに厳しい財産的要件が課されます。
社会保険加入の要件
2025年現在、建設業許可の取得・更新には、適切な社会保険への加入が要件となっています。具体的には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の3つの保険に加入していることが必要です。
これは、建設業における社会保険加入対策の一環として導入された要件です。
建設業許可の申請手続き
建設業許可の申請手続きは、以下の流れで行います。
申請先の決定
建設業の営業所を2以上の都道府県に設ける場合は国土交通大臣の許可、それ以外は都道府県知事の許可を受ける必要があります。
国土交通大臣許可の場合は、地方整備局等に申請書を提出します。都道府県知事許可の場合は、都道府県の建設業担当課に提出します。
必要書類の準備
建設業許可申請には、多くの書類が必要です。主な書類は以下の通りです。
- 建設業許可申請書
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 使用人数
- 誓約書
- 経営業務の管理責任者証明書
- 専任技術者証明書
- 株主(出資者)調書
- 財務諸表
- 定款
- 登記事項証明書
- 住民票の写し
- 社会保険等の加入状況
これらの書類を正確に作成し、必要な証明書を取得する必要があります。書類の不備があると、審査が遅れる原因となります。
私の経験では、特に経営業務の管理責任者証明書や専任技術者証明書の作成に苦労される方が多いです。これらの書類は、過去の経歴や資格を証明する重要な書類ですので、慎重に作成しましょう。
申請書の提出と審査
必要書類を揃えたら、申請先に提出します。申請書の提出方法は、窓口への持参、郵送、電子申請などがあります。
提出された申請書は、許可行政庁によって審査されます。審査期間は通常1〜2ヶ月程度ですが、書類の不備があると時間がかかることがあります。
許可の取得
審査に通過すると、建設業許可が交付されます。許可の有効期間は5年間です。5年ごとに更新手続きが必要となります。
許可取得後は、許可番号を工事現場や営業所に掲示する必要があります。また、毎年の決算後には、決算変更届を提出する義務があります。
建設業許可取得後の義務
建設業許可を取得した後も、いくつかの義務があります。主な義務は以下の通りです。
変更届の提出
商号、代表者、営業所の所在地などに変更があった場合は、変更があった日から30日以内に変更届を提出する必要があります。
特に重要なのは、専任技術者や経営業務の管理責任者に変更があった場合です。これらの人材は許可の要件となっているため、変更があった場合は速やかに届け出る必要があります。
決算変更届の提出
毎年の決算後、決算変更届を提出する必要があります。提出期限は、決算日から4ヶ月以内です。
決算変更届には、工事経歴書や財務諸表などを添付します。これにより、許可行政庁は建設業者の経営状況を把握します。
施工体制台帳の作成
下請代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)の工事を請け負った場合は、施工体制台帳を作成し、工事現場に備え付ける必要があります。
施工体制台帳には、下請業者の情報や工事内容などを記載します。これにより、工事の施工体制を明確にします。
建設業許可申請の注意点
建設業許可申請には、いくつかの注意点があります。主な注意点は以下の通りです。
申請前の準備
申請前に、許可の要件を満たしているかを確認しましょう。特に、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件は重要です。
また、財務諸表や工事経歴書などの書類は、正確に作成する必要があります。不正確な情報を記載すると、許可が取り消されることがあります。
専門家への相談
建設業許可申請は複雑な手続きです。初めて申請する場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
専門家に依頼することで、申請書類の作成や申請手続きをスムーズに進めることができます。また、許可取得後の変更届や決算変更届の提出もサポートしてもらえます。
更新手続きの期限
建設業許可の有効期間は5年間です。更新手続きは、有効期間満了の30日前までに行う必要があります。
更新手続きを忘れると、許可が失効してしまいます。許可が失効すると、新たに許可を取得するまで建設工事を請け負うことができなくなりますので、注意しましょう。
まとめ
この記事では、2025年最新の建設業許可の要件と申請手続きについて解説しました。
建設業許可は、建設工事を請け負うために必要な許可です。一般建設業と特定建設業の2種類があり、下請代金の総額によって区分されます。2025年2月からは、特定建設業許可を要する下請代金額の下限が5,000万円(建築工事業の場合は8,000万円)に引き上げられています。
許可を取得するためには、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件、誠実性の要件、財産的基礎等の要件、社会保険加入の要件などを満たす必要があります。
申請手続きは複雑で、多くの書類が必要です。申請前の準備や専門家への相談が重要です。また、許可取得後も変更届や決算変更届の提出などの義務があります。
建設業許可の取得は、事業拡大や信頼性向上につながります。この記事を参考に、適切な準備と手続きを行い、スムーズに許可を取得してください。
建設業許可の取得をお考えの方は、ぜひエクリ行政書士事務所にご相談ください。豊富な経験と専門知識で、あなたの許可取得をサポートいたします。

必要書類の準備
コメント