建設業許可の変更届|提出タイミングと注意点を解説

群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所、代表の高山秀康です。建設業許可を取得した後も、会社の状況変化に応じて「変更届」の提出が必要になります。この変更届の提出を怠ると、最悪の場合、建設業許可の取り消しにつながる可能性もあるのです。

変更届の提出期限は変更内容によって異なり、「2週間以内」「30日以内」「4ヶ月以内」と区分されています。期限を過ぎると罰則の対象となるケースもあります。

今回は、建設業許可取得後に必要となる変更届について、提出が必要なケースや提出時期、注意点などを詳しく解説します。許可を維持するために必要な手続きをしっかり押さえておきましょう。

目次

建設業許可の変更届とは?提出が必要なケース

建設業許可の変更届とは、許可を受けた後に会社や事業内容に変更が生じた場合に提出する書類です。建設業法では、許可を受けた事項に変更があった場合には、許可行政庁に届け出ることが義務付けられています。

変更届の提出を怠ると、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金等の罰則が適用される可能性があります。これは建設業法第46条第1項第2号、第3号、第48条に規定されているものです。許可維持のためにも、変更があった場合は必ず届出を行いましょう。

建設業許可の変更届の書類と提出期限を示す資料変更届が必要となる主なケースは以下の通りです:

  • 商号・名称の変更
  • 本店所在地の変更
  • 資本金額の変更
  • 役員等の変更(新任・退任・氏名変更)
  • 経営業務の管理責任者の変更
  • 営業所の新設・変更・廃止
  • 営業所技術者等(専任技術者)の変更
  • 健康保険等の加入状況の変更
  • 決算内容の変更(毎事業年度終了後)

ただし、個人から法人への変更や、知事許可から大臣許可への変更、一般建設業から特定建設業への変更などは、単なる変更届では対応できません。これらは新たに許可を取り直す必要があります。

どうですか?ご自身の会社でも変更があったのに届出をしていないケースはありませんか?

変更届の提出期限と区分

変更届の提出期限は、変更内容によって大きく3つに分けられます。それぞれの期限と該当する変更内容を見ていきましょう。

2週間以内に届出が必要なケース

経営業務の管理責任者や営業所技術者など、建設業許可の根幹に関わる重要な変更は、2週間以内の届出が必要です。具体的には以下のようなケースが該当します。

  • 経営業務の管理責任者または営業所技術者等に変更があったとき
  • 経営業務の管理責任者または営業所技術者等が氏名を変更したとき
  • 新たに令第3条に規定する使用人になった者があるとき
  • 経営業務の管理責任者または営業所技術者等を欠いたとき
  • 経営業務の管理責任者または営業所技術者等が要件を欠いたとき
  • 欠格要件に該当するに至ったとき
  • 健康保険等の加入状況に変更があったとき

建設会社の事務所で変更届の書類を確認する様子30日以内に届出が必要なケース

会社の基本情報や組織体制に関する変更は、30日以内の届出が必要です。以下のようなケースが該当します。

  • 商号または名称、所在地、資本金額(または出資総額)を変更したとき
  • 既存の営業所の名称、所在地または業種を変更したとき
  • 営業所を新設、変更または廃業したとき
  • 役員等に変更があったとき(氏名を変更した場合も必要)
  • 個人事業主または支配人の氏名に変更があったとき
  • 支配人に変更があったとき

これらの変更は会社の基本的な情報に関わるものですが、許可要件の根幹に直接関わらないため、2週間よりは長い30日の猶予が設けられています。

毎事業年度経過後4ヶ月以内に届出が必要なケース

決算に関する変更や、定期的な報告事項については、事業年度終了後4ヶ月以内に届出が必要です。

  • 毎事業年度の決算報告(年度報告)
  • 使用人数に変更があったとき
  • 令3条に規定する使用人の一覧表に変更があったとき
  • 定款に変更があったとき

特に決算報告(年度報告)は、毎年必ず提出が必要な書類です。提出を忘れると許可更新時に問題となりますので、必ず期限内に提出しましょう。

変更届提出時の注意点と必要書類

変更届を提出する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、よくあるケース別に具体的な注意点と必要書類を解説します。

商号・名称、所在地、資本金の変更

商号・名称、所在地、資本金に変更があった場合は、変更届出書(様式第22号の2)と商業登記簿抄本が必要です。個人の場合は商業登記簿抄本の代わりに、変更を証明する書類を添付します。

株式会社から有限会社への変更や、合名会社から合資会社への変更なども、同様の手続きで対応できます。ただし、個人から法人への変更は、新たに許可申請が必要となるため注意が必要です。

建設業許可の変更届に必要な書類と印鑑役員等の変更

役員等の変更には、氏名のみの変更(改姓・改名)と人物の変更(新任・退任)の2つのケースがあります。

氏名のみの変更の場合は、変更届出書(様式第22号の2)、役員等の一覧(別紙)、氏名の変更を確認できる書類(商業登記簿抄本、戸籍抄本、住民票抄本等)が必要です。

人物の変更の場合は、変更届出書(様式第22号の2)、役員等の一覧(別紙)、商業登記簿抄本が必要です。新任の場合は、誓約書(様式第6号)、調書(様式第12号)、身分証明書(発行後3ヶ月以内)、後見等登記事項証明書(発行後3ヶ月以内)も必要となります。

特に注意すべき点として、退任される役員が経営業務の管理責任者や営業所技術者等を兼任している場合は、それぞれについても変更届が必要となります。

経営業務の管理責任者・営業所技術者等の変更

経営業務の管理責任者や営業所技術者等の変更は、建設業許可の根幹に関わる重要な変更です。これらの変更があった場合は、2週間以内に届出が必要です。

特に、営業所技術者等(専任技術者)の変更については、資格要件に注意が必要です。例えば、特定建設業の営業所技術者等を一般建設業の資格しか持たない技術者に変更することはできません。一般建設業許可を取得してから変更する必要があります。

変更届の提出は、許可を受けた行政庁に対して行います。提出の際には、許可通知書の持参が必要です。

変更届の提出忘れによるリスクと対策

変更届の提出を忘れたり、期限を過ぎたりすると、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、そのリスクを回避するための対策を考えてみましょう。

提出忘れによるリスク

変更届の提出を忘れると、以下のようなリスクが生じます。

  • 罰則の適用(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)
  • 許可の取り消し(特に許可要件を欠く状態が続いた場合)
  • 許可更新時の手続きの遅延
  • 行政指導や改善命令の対象となる

特に、経営業務の管理責任者や営業所技術者等の変更を届け出ずに、要件を欠いた状態が続くと、許可の取り消しにつながる可能性があります。これは事業継続に大きな影響を与えるリスクです。

建設業許可証と変更届の書類が並べられた様子役員の任期切れに注意

特に注意が必要なのが、役員の任期切れです。役員の任期は基本的に2年ですが、公開会社でない場合は最長10年まで延長できます。

役員の任期が切れた場合、重任登記が必要となります。この重任登記を忘れていると、建設業許可申請時に登記事項証明書の提出ができず、申請手続きが遅れる原因となります。

さらに、任期切れの役員が経営業務の管理責任者である場合、「常勤の役員」でない期間が生じてしまい、最悪の場合、建設業許可の取り消しにつながる可能性もあります。

変更届提出忘れを防ぐための対策

変更届の提出忘れを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 会社の変更事項を一元管理するシステムや担当者を決める
  • 役員の任期や各種許可の更新時期をカレンダーに登録する
  • 定期的に許可要件の確認を行う
  • 行政書士などの専門家に相談・依頼する

特に、複数の変更が同時に発生する場合や、許可要件に関わる重要な変更の場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、手続きの漏れや遅延を防ぐことができます。

まとめ:建設業許可の変更届は期限内の提出が重要

建設業許可の変更届は、許可を維持するために非常に重要な手続きです。変更内容によって提出期限が異なり、2週間以内、30日以内、4ヶ月以内のいずれかの期限内に提出する必要があります。

特に、経営業務の管理責任者や営業所技術者等の変更は、許可の根幹に関わる重要な変更であり、2週間以内という短い期限での届出が必要です。提出を怠ると、罰則の適用や許可の取り消しにつながる可能性もあります。

また、個人から法人への変更や、知事許可から大臣許可への変更、一般建設業から特定建設業への変更などは、単なる変更届では対応できず、新たに許可を取り直す必要があります。

変更届の提出忘れを防ぐためには、会社の変更事項を一元管理するシステムや担当者を決めることや、行政書士などの専門家に相談・依頼することが有効です。

建設業許可は一度取得したら終わりではなく、その後も適切な手続きを行うことで維持されるものです。変更届の提出を怠らず、適正に事業を継続していきましょう。

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