群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所、代表の高山秀康です。建設業を営む方にとって、特定建設業と一般建設業の違いを理解することは非常に重要です。適切な許可を取得することで、より大きな工事を請け負うことができるようになります。
建設業許可は事業拡大の鍵となりますが、どちらの許可が必要なのか迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は特定建設業と一般建設業の違いや、許可申請のポイントについて詳しく解説します。
特定建設業と一般建設業の基本的な違い
建設業許可には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があります。この区分は、元請として下請業者に発注する工事金額の規模によって決まります。
一般建設業許可は、下請代金の合計額が5,000万円未満(建築一式工事の場合は8,000万円未満)の工事を請け負う場合に必要です。一方、特定建設業許可は、元請として1件の工事で下請代金の合計額が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)となる場合に必要となります。
重要なのは、この区分は元請業者として下請業者に出す発注金額で判断されるという点です。発注者から受ける請負金額の大小は関係ありません。
特定建設業許可が必要となるケース
特定建設業許可が必要となるのは、発注者から直接工事を請け負った際に限ります。そして、その工事の一部または全部を下請業者に発注する際、その下請代金の合計額が基準を超える場合です。
例えば、1億円の公共工事を請け負い、そのうち6,000万円分の工事を複数の下請業者に発注する場合、特定建設業許可が必要になります。
下請業者として工事を請け負う場合は、請負金額に関わらず特定建設業許可は不要です。また、下請業者がさらに別の業者(孫請業者)に工事を発注する場合も、金額の大小に関わらず特定建設業許可は必要ありません。
なお、2025年2月の法改正により、特定建設業許可が必要となる下請代金の基準額が引き上げられました。建築工事業の場合は7,000万円から8,000万円に、それ以外の場合は4,500万円から5,000万円に変更されています。
特定建設業許可の要件
特定建設業許可を取得するためには、一般建設業許可よりも厳しい要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
経営業務管理責任者
本社や本店などの主たる営業所に、経営業務管理責任者を置く必要があります。この責任者は、建設業に関して一定の経験が必要です。
法人の場合は役員、個人事業主の場合は本人または支配人が該当します。さらに、建設業に関する5年以上の経営業務の管理責任者としての経験などが求められます。
専任技術者
特定建設業の専任技術者になるには、1級の国家資格者または技術士の資格が必要です。例えば、土木建設業の場合、一般建設業許可では2級土木施工管理技士の資格でも良いですが、特定建設業許可では1級の資格が求められます。
また、一般建設業の専任技術者要件に加えて、元請として5,000万円以上の工事に関して2年以上指導監督的な実務経験がある場合も、特定建設業の専任技術者になれます。
財産的基礎
特定建設業許可を得るための財産的基礎の要件は、以下の4つすべてを満たす必要があります。
- 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
- 資本金が2,000万円以上であること
- 自己資本の金額が4,000万円以上であること
- 流動比率が70%以上であること
これらの要件は、特定許可申請を行う直前の決算により判断されます。
特定建設業者に課せられる義務
特定建設業許可を取得すると、一般建設業許可を持つ業者よりも厳しい義務が課せられます。
特定建設業者は、施工体制台帳と施工体系図を現場ごとに作成しなければなりません。また、下請代金の支払い期日や支払い方法についての制約があります。
さらに、下請業者の労賃不払いに対する立て替え払いをしなければならないという義務もあります。これは特定建設業許可業者にとって非常に厳しい制約といえるでしょう。
特定建設業許可が必要とされる建設工事は請負金額が高く、公共に対する影響が強いため、元請業者に対して適正な水準の下請代金の支払いを求めることで、下請業者の保護や建設工事の施工完遂を担保しています。
許可申請のポイント
建設業許可の申請には、いくつかのポイントがあります。
大臣許可と知事許可
建設業許可には「大臣許可」と「知事許可」という区分もあります。これは営業所の所在地によって決まります。
- 二以上の都道府県に営業所がある場合:国土交通大臣許可
- 一つの都道府県にのみ営業所がある場合:都道府県知事許可
営業所とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことです。
業種別許可
建設業の許可は、建設工事の種類ごと(業種別)に行われます。建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事のほか、27の専門工事の計29種類に分類されています。
同一の建設業者が、建築工事業について特定建設業許可を取得し、大工工事業について一般建設業許可を取得することもあります。しかし、同一の業種について一般建設業許可と特定建設業許可の両方を取得することはできません。
建設業許可の申請や変更届出の手続きに関するお問い合わせは、許可を受けようとする行政庁へ直接お問い合わせください。
まとめ
特定建設業と一般建設業の違いは、主に下請代金の金額によって決まります。特定建設業許可は、元請として大規模な工事を下請業者に発注する場合に必要となります。
特定建設業許可を取得するためには、専任技術者や財産的基礎などの要件が厳しくなっています。また、許可を取得した後も、施工体制台帳の作成や下請代金の支払いに関する義務など、より厳しい規制が課せられます。
建設業許可の申請は複雑で専門的な知識が必要です。適切な許可を取得するためには、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
建設業許可申請でお困りの際は、群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所にお気軽にご相談ください。豊富な経験と専門知識で、皆様の許可申請をサポートいたします。
群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所では、建設業許可をはじめとする各種許認可申請を専門としております。お気軽にお問い合わせください。

コメント