群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所、代表の高山秀康です。建設業を営む事業者の皆様は、建設業許可票の掲示義務についてご存知でしょうか。この掲示は単なる形式ではなく、法律で定められた重要な義務です。
建設現場や営業所に掲げる「金看板」とも呼ばれる建設業許可票。正しく設置していないと思わぬペナルティを受けることもあります。
建設業許可票とは?掲示が必要な理由
建設業許可票とは、「建設工事を行うための許可を取得している」ことを第三者に証明するためのものです。金や銀のプレートに印字して作ることが多く、「金看板」とも呼ばれています。
なぜ掲示が必要なのでしょうか。建設工事は常に危険と隣り合わせであり、高い技術や経験が必要です。もし技術や経験のない業者が建物を造っていたら、近隣住民や通行人は不安を感じるでしょう。
第三者が安心して過ごせるよう、建設業を営むだけの経験や技術があると認められる建設業者に対して、行政機関は「建設業許可」を出します。この許可を受けていることを証明するために、建設業許可票の掲示が義務付けられているのです。
建設業許可票の掲示場所と種類
建設業許可票を掲示する場所は、法律で明確に定められています。建設業許可を取得したら、その店舗(本店・支店・営業所)と工事現場の両方に掲示する必要があります。
具体的には「公衆の見やすい場所」に設置するよう決められています。店舗であれば室内ではなく外壁の見やすい場所に、工事現場であれば入り口付近の壁面など、外から見てわかる場所に掲示しましょう。
店舗用と工事現場用では、記載内容やサイズに違いがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
店舗(営業所)に掲示する建設業許可票
店舗に掲示する建設業許可票には、以下の内容を記載します。
- 一般建設業または特定建設業の別
- 許可年月日
- 許可番号及び許可を受けた建設業
- 商号または名称
- 代表者の氏名
許可番号は5年ごとの更新によって新たな番号となります。更新のたびに記載内容を変更する必要がありますので注意してください。
工事現場に掲示する建設業許可票
工事現場に掲示する建設業許可票には、店舗用の内容に加えて以下の項目が追加されます。
- 主任技術者または監理技術者の氏名
- 専任の有無
- 資格名
- 資格者証交付番号
工事現場の許可票には技術者情報の記載が必要です。これは建設工事の適正な施工を確保するために、工事現場に所定の資格・経験を有する技術者を設置して施工状況の管理・監督を行うことが義務付けられているためです。
建設業許可票のサイズと材質
建設業許可票は、そのサイズも法律で定められています。2011年に規則が変更され、現在は以下のサイズが基準となっています。
- 店舗に掲示するもの:縦35センチ以上×横40センチ以上
- 工事現場に掲示するもの:縦25センチ以上×横35センチ以上
材質については特に規定はありません。一般的には金属製の看板が多いですが、法律上は紙に印刷したものでも構いません。ただし、耐久性や見栄えを考慮すると、金属製や樹脂製の看板が望ましいでしょう。
「金看板」と呼ばれる理由から金色が一般的ですが、色についても特に規定はありません。大切なのは、記載内容とサイズの基準を満たしていることです。
許可票は自分で用意する必要があります。行政機関から許可がおりても「許可通知書」というA4サイズの書類が1枚届くのみで、許可票は交付されません。
元請業者のみの掲示義務化について
2020年(令和2年)10月から建設業法が改正され、工事現場に掲げる建設業許可票の掲示義務は元請業者のみとなりました。
標識の掲示義務の緩和は建設業法の第40条関係において、「建設業者が工事現場に標識を掲げる義務について、発注者から直接請け負った工事のみを対象とする」として、下請の建設業者については掲示しないこととされています。
建設業法第40条では次のように定められています。
(標識の掲示)第四十条 建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
この改正により、下請業者の事務負担が軽減されました。ただし、店舗(営業所)への掲示義務は引き続き全ての建設業者に課せられています。
建設業許可票を掲示しない場合の罰則
建設業許可を受けた建設業者が建設業許可票を掲示しなかった場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。
建設業法によれば、許可票を掲示しなかった場合、過料10万円以下が課されることがあります。
これは決して軽い罰則ではありません。特に複数の営業所や工事現場を持つ大きな業者では、掲示漏れが発生しやすいため注意が必要です。
掲示漏れが発覚した場合、いきなり過料が発生するわけではありませんが、行政指導の対象となる可能性があります。また、建設業許可の更新時に不利になることもあるため、適切に掲示することが重要です。
2025年の建設業法改正と今後の動向
2024年6月7日に「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が国会で可決・成立しました。この改正法は、公布日から1年6カ月以内に完全施行される予定です。
今回の建設業法等改正は、建設業の担い手を確保するため、労働者の処遇改善・働き方改革・生産性向上を促すことを目的としています。
改正による変更点は、大きく分けて以下の3点に整理されます。
- 労働者の処遇改善(賃金引上げ)
- 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
- 働き方改革と生産性向上(労働時間の適正化・現場管理の効率化)
現時点では建設業許可票の掲示義務に関する大きな変更は予定されていませんが、今後の動向に注目する必要があります。
建設業許可票の掲示に関するよくある質問
Q1: 建設業許可票は誰が作成するのですか?
建設業許可票は行政機関から交付されるものではなく、許可を受けた建設業者が自ら作成する必要があります。許可通知書を受け取った後、規定のサイズと記載内容に従って作成しましょう。
Q2: 許可票の材質や色に決まりはありますか?
材質や色に関する法的な規定はありません。一般的には金属製の金色や銀色の看板が多いですが、記載内容とサイズの基準を満たしていれば、紙製でも問題ありません。
Q3: 許可の更新時には許可票も更新する必要がありますか?
はい、許可の更新時には許可番号が変わるため、許可票も更新する必要があります。更新後の許可番号を記載した新しい許可票を作成し、古い許可票と交換してください。
Q4: 複数の営業所がある場合、全ての営業所に掲示が必要ですか?
はい、全ての営業所に掲示が必要です。また、元請として工事を行っている全ての現場にも掲示が必要となります。
まとめ:建設業許可票の適切な掲示で信頼を獲得しよう
建設業許可票の掲示は、単なる法的義務以上の意味を持っています。適切に掲示することで、第三者に対して「適正な許可を受けた信頼できる業者である」ことをアピールできます。
掲示のポイントをまとめると:
- 営業所と工事現場(元請の場合)の両方に掲示する
- 「公衆の見やすい場所」に設置する
- 店舗用と工事現場用で記載内容とサイズが異なる
- 許可更新時には許可票も更新する
- 掲示しない場合は過料10万円以下の罰則がある
建設業許可票の適切な掲示は、法令遵守の姿勢を示すとともに、お客様や地域社会からの信頼獲得にもつながります。
建設業許可に関するご相談は、群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所にお気軽にご相談ください。建設業許可の新規取得から更新手続き、各種変更届まで、専門家としてサポートいたします。
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