群馬県伊勢崎市のエクリ行政書士事務所、代表の高山秀康です。本日は風俗営業許可申請の中でも、特に遊技機に関する認定基準について詳しく解説していきます。パチンコ店やゲームセンターなどの風俗営業を始める際には、設置する遊技機が法令に適合していることが必須条件となります。
近年、遊技機に関する規制は年々厳しくなり、2025年現在では認定基準も大きく変わってきています。この記事では、最新の法令に基づいた遊技機認定の基準や申請方法について、行政書士としての経験を踏まえながら解説していきます。
これから風俗営業を始めようとしている方や、既存の遊技機の入れ替えを検討している事業者の方々にとって、役立つ情報になるはずです。
風俗営業における遊技機の法的位置づけ
まず最初に、風俗営業における遊技機の法的位置づけについて説明します。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)では、パチンコ店やゲームセンターなどの遊技場は風俗営業として規制の対象となっています。
風営法第2条第1項第4号では、「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」を風俗営業の一つとして定義しています。この「4号営業」と呼ばれるカテゴリーには、パチンコ店やパチスロ店が含まれます。
また、風営法第2条第1項第5号では、「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの」を備える店舗での営業を規定しており、この「5号営業」にはゲームセンターなどが含まれます。
これらの営業を行うためには、都道府県公安委員会の許可が必要であり、その許可を得るためには設置する遊技機が法令に定められた基準に適合していることが条件となります。
射幸心とは何でしょうか?
射幸心とは、幸運や偶然によって思いがけない利益を得ることを期待する心理のことを指します。ギャンブル性の高い遊技は、この射幸心をそそるものとして規制の対象となっているのです。
4号営業と5号営業の違い
風営法における4号営業と5号営業では、設置できる遊技機の種類や規制の内容に違いがあります。4号営業(パチンコ店等)では、パチンコ機やスロットマシンなど、より射幸心をそそる遊技機の設置が認められていますが、その分、営業時間や場所に関する規制も厳しくなっています。
一方、5号営業(ゲームセンター等)では、テレビゲーム機やクレーンゲーム機など、相対的に射幸心をそそる度合いが低い遊技機が設置対象となります。ただし、これらの遊技機であっても、本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれがある場合には規制の対象となります。
私がこれまで関わってきた許可申請の経験から言うと、4号営業と5号営業の区別は時に微妙なケースもあります。例えば、メダルゲーム機を主体としたゲームセンターの場合、その遊技性によって4号営業になるか5号営業になるかが変わってくることがあるのです。
遊技機の認定基準とは
風俗営業で使用される遊技機は、国家公安委員会の定める技術上の規格に適合していることが必要です。この適合性を確認するための制度が「遊技機の認定」および「型式の検定」です。
遊技機の認定基準は、主に以下の観点から定められています:
- 射幸性の程度(射幸心をそそる度合い)
- 出玉率や払い出し率
- 技術的な安全性
- 不正行為の防止
- 青少年への影響
これらの基準は、風営法だけでなく、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」などの関連法令によって詳細に規定されています。
パチンコ遊技機の認定基準
パチンコ遊技機については、2025年現在、以下のような基準が設けられています:
- 大当たり確率や出玉率に関する制限
- 1回の大当たりで獲得できる出玉数の上限
- 出玉の利用に関する制限(例:出玉の持ち出し禁止)
- 遊技時間や連続稼働に関する制限
- 不正改造防止のための技術的措置
特に近年では、依存症対策の観点から出玉率や射幸性に関する規制が強化される傾向にあります。2018年2月に施行された規則改正以降、段階的に基準が厳格化され、2025年現在では従来型の高射幸性遊技機はほぼ市場から撤退しています。
私の事務所にも、新基準に対応するための相談が増えています。特に既存店舗を経営されている方からは、「新基準に適合した遊技機への入れ替えにかかるコストが負担になっている」という声をよく耳にします。
回胴式遊技機(スロットマシン)の認定基準
回胴式遊技機、いわゆるパチスロ機については、以下のような基準が適用されています:
- メダルの投入から払い出しまでの出玉率
- ボーナスゲームの発生確率
- 1回のボーナスゲームで獲得できるメダル数の上限
- 連続演出や期待感を高める演出の制限
- 不正操作防止のためのセキュリティ機能
パチスロ機についても、パチンコ機と同様に段階的な規制強化が行われており、いわゆる「5.9号機」から「6号機」への移行が進められています。6号機では、ボーナス時の出玉やAT(アシストタイム)機能に関する新たな制限が設けられています。
こうした規制の変化に対応するため、メーカー側も新たな遊技性を持つ機種の開発に力を入れています。しかし、新基準機は従来機と比べて射幸性が抑えられているため、プレイヤーの支持を得るのに苦戦しているケースも少なくありません。
遊技機認定の申請手続き
遊技機の認定を受けるためには、所定の手続きに従って申請を行う必要があります。申請は基本的に遊技機メーカーが行いますが、営業者としてもその流れを理解しておくことは重要です。
遊技機認定の申請手続きは、大まかに以下のステップで進められます:
- 申請書類の作成と提出
- 遊技機の試験・検査
- 公安委員会による審査
- 認定証の交付
- 認定機としての使用開始
申請にあたっては、遊技機の構造や機能に関する詳細な資料、技術的な仕様書、試験結果などの提出が求められます。また、実機を用いた検査も行われることがあります。
必要書類と申請費用
遊技機認定の申請には、以下のような書類が必要となります:
- 遊技機認定申請書
- 遊技機の構造・機能に関する説明書
- 遊技機の外観図および内部構造図
- 電気回路図
- プログラムリスト(電子遊技機の場合)
- 遊技機の性能に関する試験結果
- 製造者の宣誓書
申請費用については、各都道府県によって異なりますが、福井県の例では「検定機(遊技機試験を受けたものを除く)の認定申請手数料(1型式)」が4,300円+40円×申請台数となっています。また、指定試験機関の型式試験を受けた型式の遊技機の検定申請手数料(1型式)は3,900円とされています。
これらの費用は行政手数料として納付する必要があります。また、試験機関による事前検査を受ける場合は、別途費用が発生します。
私の経験上、申請書類の不備による差し戻しは意外と多いです。特に技術的な説明書や図面については、専門的な知識が必要となるため、メーカーや販売会社と綿密に連携して準備することをお勧めします。
認定プロセスと審査期間
遊技機の認定プロセスは、申請から認定証交付まで一定の期間を要します。一般的な流れとしては:
- 事前相談(任意だが推奨)
- 申請書類の提出
- 書類審査
- 実機検査(必要に応じて)
- 審査結果の通知
- 認定証の交付
審査期間は申請内容や混雑状況によって異なりますが、通常は1〜3ヶ月程度かかることが多いです。新型の遊技機や特殊な機能を持つ機種の場合は、さらに時間がかかることもあります。
審査の過程で追加資料の提出や説明を求められることもあるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。特に新店舗のオープンに合わせて申請する場合は、開店予定日から逆算して早めに手続きを始めることをお勧めします。
遊技機変更時の手続き
既存の風俗営業許可を持つ店舗が遊技機を変更する場合にも、所定の手続きが必要です。これは「遊技機変更承認申請」と呼ばれる手続きで、公安委員会の承認を受ける必要があります。
遊技機変更承認申請は、以下のような場合に必要となります:
- 新たな遊技機を導入する場合
- 既存の遊技機を別の機種に入れ替える場合
- 遊技機の配置を大幅に変更する場合
- 遊技機の台数を増減させる場合
申請にあたっては、変更する遊技機の詳細情報や配置図などの提出が求められます。また、未認定機を導入する場合は、別途認定手続きも必要となります。
変更承認申請の手続きと費用
遊技機変更承認申請の手続きは、以下のステップで進められます:
- 変更承認申請書の作成
- 必要書類の準備
- 管轄の警察署への申請
- 審査・実地調査
- 承認通知の受領
- 変更作業の実施
必要書類としては、遊技機変更承認申請書のほか、変更後の遊技機配置図、導入する遊技機の認定証写し、既存許可証などが一般的です。
申請費用については、未認定機の有無によって異なります。福井県の例では、未認定機なしの場合は2,400円、未認定機ありで特定未認定機なしの場合は5,200円+40円×未認定機台数となっています。
私の経験では、パチンコ店の場合、季節ごとの入れ替えや新機種導入のタイミングで定期的に変更申請を行うケースが多いです。そのため、効率的な申請手続きのノウハウを持っておくことは、店舗運営において重要なポイントとなります。
注意すべきポイントと一般的なトラブル
遊技機変更承認申請において、注意すべきポイントとしては以下のようなことが挙げられます:
- 申請から承認までの期間を考慮したスケジュール設定
- 未認定機と認定済み機の区別と適切な手続き
- 遊技機の総数や種類ごとの比率に関する規制への対応
- 変更作業時の営業停止期間の最小化
- 変更後の検査対応の準備
よくあるトラブルとしては、申請書類の不備による差し戻しや、承認前に変更作業を行ってしまうケース、未認定機を認定済みと誤認して申請するケースなどがあります。
特に大規模な入れ替えを行う場合は、事前に警察署に相談し、申請のタイミングや必要書類について確認することをお勧めします。また、メーカーや販売会社との連携も重要で、納品スケジュールと承認タイミングを合わせることが円滑な変更作業につながります。
遊技機認定における最新の動向と規制強化
遊技機業界は、依存症対策や射幸性の抑制を目的とした規制強化の流れの中にあります。2025年現在、以下のような動向が見られます。
スマート遊技機の導入と影響
近年、ギャンブル等依存症対策の一環として「スマート遊技機」の導入が進められています。スマート遊技機とは、遊技時間や使用金額に制限を設けることができる機能を搭載した遊技機のことです。
具体的な特徴としては:
- 遊技時間の上限設定機能
- 使用金額の上限設定機能
- 遊技履歴の確認機能
- 休憩を促す警告表示機能
- 遊技データの記録・分析機能
これらの機能により、プレイヤー自身が遊技をコントロールしやすくなる効果が期待されています。また、事業者側にとっても、依存症対策の取り組みとしてアピールできるメリットがあります。
ただし、スマート遊技機の導入には設備投資が必要となるため、特に中小規模の店舗にとっては負担となる側面もあります。また、従来の遊技スタイルに慣れたプレイヤーからの反発も一部で見られます。
依存症対策は社会的に重要な課題です。でも、規制だけでは解決しない面もあると思います。私は、業界全体で健全な遊技環境を作っていくことが大切だと考えています。
出玉規制と射幸性の抑制
遊技機の射幸性を抑制するための規制も年々強化されています。特に出玉率(投入した金額に対する払い出し率)については、段階的に引き下げられてきました。
現在の主な規制内容としては:
- パチンコ機の出玉率上限の引き下げ
- 大当たり確率の調整
- 1回の大当たりで獲得できる出玉数の制限
- 連チャン機能の制限
- 演出面での過度な期待感喚起の抑制
これらの規制により、従来のような「一撃で大きな出玉を獲得できる」タイプの遊技機は減少し、比較的長時間遊技できる代わりに射幸性を抑えた機種が主流となっています。
業界関係者からは「規制強化によって遊技の魅力が損なわれ、顧客離れが加速している」という声も聞かれますが、一方で「健全な娯楽として社会に受け入れられるためには必要な変化」という意見もあります。
私が現場で見てきた限りでは、確かに規制強化後は客足が減少した店舗も多いですが、新しい遊技性を打ち出した機種や、快適な店舗環境の整備によって差別化を図る店舗は比較的安定した経営を続けています。
風俗営業許可申請における遊技機関連の注意点
風俗営業許可を新規に申請する際、遊技機に関連して特に注意すべきポイントがいくつかあります。これらを事前に把握しておくことで、スムーズな許可取得につながります。
出店場所と遊技機設置の関係
風俗営業の許可申請において、出店場所の選定は非常に重要です。特に遊技場の場合、以下のような場所的制限があります:
- 学校(大学を除く)から100メートル以内には出店できない
- 大学、図書館、児童福祉施設、病院・診療所(入院施設あり)から一定距離(商業地域では30メートル、その他の地域では70メートル)以内には出店できない
- 住居専用地域・住居地域(準住居地域を含む)には原則として出店できない
これらの制限は「保全対象施設」からの距離として定められており、遊技場の健全な運営と周辺環境の保全を目的としています。
また、出店場所によっては、設置できる遊技機の種類や台数に制限が課せられることもあります。特に住宅地に近い場所では、騒音対策や営業時間の制限など、追加的な条件が付されることがあります。
私の経験では、出店計画の初期段階で警察署に事前相談を行い、場所的制限や条件について確認することが重要です。また、出店予定地の周辺に新たな保全対象施設の建設計画がないかも調査しておくべきでしょう。
出店妨害という問題もあります。新規出店の噂を聞きつけてから、営業制限地域内に診療所などを作ってしまうケースもあるのです。こうした出店妨害は様々な主体によって行われることがあり、注意が必要です。
遊技機の配置と店舗構造
風俗営業許可申請において、遊技機の配置や店舗構造も重要な審査ポイントとなります。主な要件としては:
- 遊技機の配置が明確に分かる平面図の提出
- 通路幅や避難経路の確保
- 防火・消防設備の適切な配置
- 遊技場内の照明基準の遵守
- 騒音対策(防音設備など)の実施
特にパチンコ店の場合、遊技機の配置は「島」と呼ばれる単位で計画されます。島の配置や通路幅については、消防法や建築基準法の観点からも審査されるため、これらの法令にも配慮した設計が必要です。
また、最近では換気設備や空調設備の性能も重視されるようになっており、特に受動喫煙対策の観点から喫煙スペースの設置方法についても注意が必要です。
私がこれまでサポートしてきた申請では、事前に警察署や消防署と協議を重ね、要件を満たした店舗設計を行うことで、スムーズな許可取得につながったケースが多いです。特に大規模な店舗の場合は、設計段階から専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
まとめ:風俗営業における遊技機認定の重要ポイント
ここまで風俗営業における遊技機認定基準について詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめておきます。
- 風俗営業(4号・5号)では、設置する遊技機が法令に定められた基準に適合していることが必須
- 遊技機の認定には、射幸性の程度、出玉率、技術的安全性などが審査される
- 認定申請は主に遊技機メーカーが行うが、営業者も手続きを理解しておくことが重要
- 遊技機の変更時には「遊技機変更承認申請」が必要
- 近年は依存症対策や射幸性抑制のための規制が強化されている
- 風俗営業許可申請では、出店場所の選定や店舗構造にも注意が必要
風俗営業における遊技機認定は、単なる行政手続きではなく、健全な遊技環境の確保と社会的責任を果たすための重要なプロセスです。法令遵守はもちろんのこと、地域社会との共存や依存症対策など、幅広い視点から営業のあり方を考えることが求められています。
私たちエクリ行政書士事務所では、風俗営業許可申請や遊技機変更承認申請のサポートを行っています。手続きでお困りの際は、ぜひご相談ください。
最後に一言。遊技機業界は規制強化の流れの中にありますが、それは決して業界の衰退を意味するものではありません。むしろ、健全な娯楽として社会に受け入れられるための変革の過程と捉えるべきでしょう。今後も時代の変化に対応しながら、魅力ある遊技環境を提供していくことが、業界全体の発展につながると信じています。

スマート遊技機の導入と影響
出店場所と遊技機設置の関係
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